時分の花を咲かせよう~花ある人になるために 8~

時分じぶんの花」って何ですか?
そんなお声を頂いたので、
今日はそれについて書いてみます。
自分」じゃなくて、「時分」です。

「時分の花をまことの花と知る心が、
 真実の花になお遠ざかる心なりけり。」

(若いときだけの役者の魅力を
 生涯失うことのない魅力と思ってしまうことが、
 役者としての真の能力を獲得することから
 遠ざかってしまう考えなのです。)

※「日本人こころの言葉 世阿弥」
 西野春雄・伊海孝充著 創元社
 22ページの現代語訳より

これは能の大成者と言われる
室町時代の世阿弥ぜあみの書、
風姿花伝ふうしかでん
第一 年来稽古条々ねんらいけいこじょうじょうでの言葉です。 
日本史で聞いたことあるって方も
いらっしゃるかもしれませんね。

この書物は能楽を
子孫に引き継ぐための秘伝書で、
能人生を7段階に分け、
年代に応じた心構えや
稽古の方法が書かれています。
簡単にご紹介しますね。  

・7歳ころ
 稽古を始めたばかりの子どもには
 思うままにやらせる。
 そうでないとやる気をなくす。

・12~13歳ころ
 姿や声が美しく、
 それだけで幽玄であるが、
 それは「時分の花」であり、
 一生続く美しさ「まことの花」ではない。
 稽古にはげめ。

・17~18歳ころ
 声変わりという壁にあたり、
 幼少期の美しさを失うが、
 周りは気にせず、
 ひたすらに稽古にはげめ。

・24~25歳ころ
 声も身体も出来上がり、
 周りからも新人の珍しさが手伝って、
 称賛を得る。
 しかし、これは、
 「時分の花で」あって、「まことの花」ではない。
 いずれ失せてしまう花であって、
 一生続くと思ってはいけない。

・34~35歳ころ
 このころの能が盛りの絶頂である。
 このころまでに世に認められなければ、
 まことの花を極めることはできない。
 34、35歳までは上ることができるが、
 40歳を過ぎれば、下り坂しかない。

・44~45歳ころ
 どんなに名人でも衰えが見え始める。
 この時期でもなお、花が衰えなければ、
 それはまことの花であるけれども、
 後継者に花を持たせ、
 自分は控えめに舞台を務めよ。
 それが名人というものだ。

・50歳から
 もう何もしない方がいい。
 本当に極めた人であれば、
 それでもなお、花が残る。
 老いてもなお老木に花は咲いている。

どうでしたでしょうか?
これは能を志す後継者に宛てて
書かれたものですが、
現代の私たちが読んでも
考えさせられますよね。

世阿弥はその時だけの花(時分の花)は
はかなく消え去るものであって、
真実の花(まことの花)ではない
繰り返し述べています。

年齢区分はさておき、
女性の人生に当てはめて考えてみると、
若いから美しいのは当たり前。
その美しさは「まことの美しさ」ではない。
年老いてなお咲き続ける美しさこそ、
真実の美しさ(永遠美)だということですね。

ほら、こう考えると
年齢を重ねるのも楽しみになってきませんか?

「時分の花」という言葉は
「まことの花」の対義語として
否定的にとらえられることが多いですが、
私は、本当にそうかな?と思っています。

「時分の花」
人生のステージ毎に
咲かせる花があってこそ、
「まことの花」にたどり着くんじゃないかと
考えています。
若野さき流の「時分の花」の解釈です。  

今を一生懸命に取り組む。
うまくいっていても、
たとえ笑われても、
格好が悪くても、
その姿自体が「時分の花」なんだと思っています。

部活で汗と泥だらけになっていても
さわやかな「時分の花」 

恋をしてキラキラ輝いている「時分の花」

仕事が順調で自信に溢れている「時分の花」

ブーケを手にした幸せな花嫁の「時分の花」 

つわりが辛くて、苦しむ姿も、
新しい生命を産むために一生懸命な「時分の花」。

子どもに手を焼き、途方に暮れていても、
子どもに愛情があるゆえに悩む「時分の花」

子育て生活で社会から隔絶されて
生きているような気がしても、
今のやるべきことに
ひたむきに向き合う真摯な「時分の花」

初めて子どもが歩いた感動に
涙する「時分の花」

思うように物事がすすまず、
悩み、考え込む、「時分の花」 

引っ越し毎に
新しい人間関係を作り
生活環境を立ち上げることに
必死に取り組む「時分の花」

人それぞれ、丁寧に
自分だけの「時分の花」を
人生のステージ毎に
一生懸命咲かせられたら、
いつかおばあちゃんになった時に
老木になお残る「まことの花」(永遠美)を
咲かせらるんじゃないかな。

世阿弥曰く、
「時分の花」は「まことの花」ではない。

それを踏まえてみると、
苦労の花も、
幸せの花も
いずれ散って消えてしまう。

そう思って、
次の人生ステージを意識できたら、
今を一生懸命に生きながら、
未来も見つめることができるかも。

今咲かせている、咲かせられる
「時分の花」って何だろう。
みなさんも考えてみてくださいね。

あなたがあなたで生きることで
あなたもあなたの大切な人達の幸せの限度枠が無限大に広がっていきますように。

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